好きな作家っていうのは人それぞれいると思う。
自分も両手では足りないくらいいるし、それは日々増えていくもんですよ。


でも一番好きなのはだれか? って聞かれるとなかなか決められないもんですよね。
まぁ、時期によって変わってくるかもしれないけど、今現在最も好きなのは
井上夢人」。間違いない。
ストーリーテラーとはこの人のことを言うんでしょう。
岡島二人の片割れとして有名ですけど、僕はソロになってからのほうが好きです。
ミステリの枠を広げるような、一風変わった設定の作品が多いですけど、その
ありえないような話でも、すごくリアリティーがあるんですよ。
けっこう分厚い作品が多いですけど、そんなの気にならないくらいサクサク読めるし、
文章もうまいと思う。読んでいて心地いい。
ということで、入院中に読んだ本の感想、ラストを飾るのはこちらの作品。

ダレカガナカニイル… (講談社文庫)

ダレカガナカニイル… (講談社文庫)

あと2日で退院ってことになって、手に取ったんですよ。
入院もそのくらいになると、体調は回復してるからきつくない。とにかく暇になるんです
よね。でも、この作品があったおかげで乗り切れました。もうず〜っと読んでましたよ。


タイトルのとおり、ある男性の中に誰かが入り込んでくるんです。頭の中から声が聞こえて
くる感じですか。男性は自分が狂ったと思い、病院にいったりと最初はその存在を認め
ようとはしません。この頭の中の声との会話、だんだん打ち解けていくくだりがまず、読み
どころです。あとは、ある宗教団体の存在。宗教団体というと、オウム真理教を思い浮かべ
ますけど、この作品が書かれたのはオウムがサリンをまく前、まだ世間にその存在が
広まっていない時期でした。


この作品はあんまりあらすじとか見ないで読んだほうがいいので、ぐだぐだ書かないです
けど、そのとんでもない設定を見事に論理的にまとめあげ、そして最後に現れるどんでん
返しと最高にすばらしいかった。おすすめです。


で、今日「オルファクトグラム(上)(下)」講談社文庫 井上夢人
を購入してきました。上下巻でボリュームのある作品ですけど評価も高いし読むのが
楽しみ。たぶんあっという間に読んでしまうはず。


先月の日記で書いた「マーチ博士の4人の息子」ですけど、実は紛失してまして。
それが昨日ふとベッドの下を見ると、あったw
話ちょっと忘れた^^;
先にオルファクトグラム読んでしまうかも…。