名探偵なんか怖くない (講談社文庫 に 1-2)

名探偵なんか怖くない (講談社文庫 に 1-2)


西村京太郎といえば、十津川警部に鉄道ミステリーなわけですが、昔はバリバリの本格を書いて
いたわけです。去年読んだ『殺しの双曲線』は、かなりおもしろい本格ミステリでした。
この「名探偵なんか怖くない」は、名探偵シリーズといわれるもので、他に「名探偵が多すぎる」
「名探偵も楽じゃない」「名探偵に乾杯」と続いています。(他3作品はネットで注文中)。


このシリーズは有名な名探偵を登場させたパロディ物。他の作品は読んでないからどういうものか
わかりませんが、当作品は、クイーン、ポアロ、メグレ、明智という4人の探偵が競演。
ある富豪があの三億円事件をまったく同じように再現し、それを4人に解いてもらうという設定。
その再現中に、殺人事件が起こり、事態はあらぬ方向に進んでいってしまうのだが。


それぞれの探偵の特徴を利用して、それぞれの役割をうまく設定しているなぁ〜という印象。
ただ、4人がいろんな意見をもちよって、誰が謎を解くのかというところを期待していたので
ちょっと肩透かしをくらいましたが。途中、クイーンの「読者への挑戦状」が挿入されるのですが、それに対してのポアロの冷めた態度は笑いました。


確かにもうすこし、探偵たちの推理合戦を楽しみたかったのですが、それは次作に期待する
とします。