一般病棟に移った後は、朝7時に起きて、9時30分に寝るという生活でした。
最初は、体もきつかったんで、TVを見て、寝て過ごしてました。
胃の炎症があったので食事に制限があったんですよ、粥っぽいやつ。
だから、退院がちょっと長引いてしまって。それ以外は、吐き気もなく元気になってました。
寝て過ごすのもかなり退屈を覚えるようになり、下の売店に繰り出したわけです。


そこの本コーナーに、西村京太郎と赤川次郎に挟まれてひっそりとあったのが、
「火の粉」雫井脩介でした。

火の粉 (幻冬舎文庫)

火の粉 (幻冬舎文庫)


元裁判官、梶間勲の隣家に二年前に自身が無罪判決を出した竹内が越してきた。
竹内のその献身的な優しさや、笑顔に勲の家族は心を許していく。
しかし、徐々に梶間家の周辺で不可解な事件が次々に起こりだした。


これはかなり面白かったです。買ったその日に、一気読みしてしまいました。
梶間家の面々の心理描写がうまい。無罪を勝ち取ったとはいえ、どこか胡散臭い竹内に対する
反応とか。
司法制度とか冤罪なんかをメインに扱ってはいるけど、読みどころはそこではない。
竹内はいったいどういう人間なのか? というのがページをめくらせる。
貴志祐介の「黒い家」を思い出させるような、人間の本質的怖さを感じました。
この作家初めて読んだけど、かなりいいです。「犯人に告ぐ」とかも評判よさげですし、
これから読むのが楽しみです。


そして、入院中に読んだ本はこれ以外に、
1、人形はこたつで推理する(我孫子武丸
2、クリムゾンの迷宮(貴志祐介
3、ダレカガナカニイル・・・(井上夢人
の3冊でした。感想は明日以降に。

しばらく更新をしてなかったわけですが、前の日記に書いたように入院しておりました。
退院後すぐに会社から書き込んで、続きを家で書こうと思ったら、プロバイダーに金払って
なかったんで、接続できずw
ようやく復活しました。


7月12日の昼、めちゃくちゃ気分が悪くなって、会社の応接室みたいなところで寝てたんです。
吐き気もあって、トイレと往復しつつ。そしたら、上司が来て、早退して病院いけっていうから、
それに従って会社を出たんですよ。で、自転車で来てたんですけど、そのことにも考えが
及ばず、ふらふらと歩いて、家に保険証を取りに向かったんです。
でも、かなり限界で、信号待ちでは座り込む始末。とにかく寝転びたいと近くのネットカフェに
転がりこんだんです。
その時が、たしか15時ごろ。


一人部屋のボックスシートっていうんですか。そこにはいったんです。
で、ぐた〜っと寝てまして。
夕方近くには、がんがん上司とか同僚から電話がかかってたんですけど、出ることもできず。
その頃は、トイレにいって吐きまくりです。
そして、9時ごろ、もうどうでもいいやって気分になり、ボックスシート内で吐きまくりww
めちゃくちゃ喉が渇いて、お茶をとってきて、ちょっと飲んでぶちまけて、吐きまくりと
最高にやばい状態でした。ちょっと死を意識しました。


いまでも不思議なのは、なんでこの時点で店員にいって救急車を呼ばなかったってこと。
でもあのときは、とにかくきつ過ぎて、誰にもかまってほしくないような感じだったんですよ。
そっとしててくれ! という感じで。


そして、23時ごろ、すごい行動にでます。
勝手に席移動ww


ペアシートっていうでかい部屋にこっそり、いや大胆に移動しました。
脚をのばして、寝転びたかったんだと思います。
そして、そこで吐きまくりww
たぶん、この時点で100回は吐いた。こんなに吐けるものなのかと思いましたよ。
で、2時ごろ店員がやってきました。
席を勝手に移動したので、なんか言われるかと思ったけど、
「大丈夫ですか?」のひとこと。
そして、
「大丈夫です」と明らかに大丈夫じゃないのに言ってしまった。
そのまま、店員は帰っていった。勝手に席移動してもいいのか?


そして、朝方4時30分。店に入って13時間経過。
となりにいた女の子ふたり組みがやってきて、「大丈夫ですか?」と心配してくれた。
そして、その二人の目の前で勢いよく吐く。
もう限界と思って、救急車をお願いしました。喉がカラカラでうまくしゃべれなかったです。


そして、やってきた救急隊員に担がれて、人生初の救急車!
近くの総合病院に担ぎこまれました。
医者が10人くらいいる集中治療室へ。
すぐに点滴をされて、いろいろ検査される。
服をハサミで切られ、男の大事なところへ管をいれられ、肛門をぐりぐりされたww


ある医者が携帯をもってきて、両親に連絡をとりますので、この番号でいいですかと聞かれた。
そして、親と話す医者。
「やばい状態ですので、急いで来てください」


…まじですか〜〜〜!!って感じでしたね。これ聞いたときは。


そのまま、ずっと点滴を続けたり、注射したり。
両親がやってきたころには、多少落ち着いてました。
入院すると会社に連絡してもらって、親は帰っていった。
そこから、3日間、面会謝絶の集中治療室。


そして、胃カメラのんだり、CTとったりと検査の連続。
診断結果は、逆流性胃炎とマロリーワイス症候群。
鍋にいれそうなこの病気は、なにやら食道の炎症みたいです。
そして、後3〜4時間処置が遅れたら、食道と胃をつなぐ管がちぎれてたといわれました。
怖すぎです。なんとか間に合ったので、手術なしですみました。


一般病棟に移る1日前に、ネットカフェから請求書がきたのは、今となってはいい思い出です。

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

石持連チャンで。コンパクトにまとまってそう。
今のところ、おもしろい。

BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)

BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)


奇抜な状況設定を作り出すことに、長けているという印象の石持浅海
今回の作品も、誰もが生まれたときは女性で、優秀な女性のみ男性化するという
SFチックな設定。よって、男性の数が相対的に少ない為、女性はレイプをしてでも
男性と交わろうとする。だから、女性がレイプされることは、考えられない。
そんな状況で、女性がレイプ未遂で殺されたという事件が発生することに。


少しインパクトに欠ける印象をうけましたけど、学園物で、ストーリ的に◎なので、
グイグイ読ませます。
ちょっと乾くるみの「Jの神話」を思い出した。雰囲気はそんな感じでしたよ。


最後の謎解きで、探偵役が推理するけど、おおっと思う伏線回収はなかったかも。
ただ、この世界観だからこそ、通用するロジックが冴え渡っています。そこは、よかった。


優秀な女性が男性化、ということを繰り返し述べつつ、生物としては優秀だけど、
人間として優秀かはまた別、としっかりフォローしてますw 

読書感想

集中豪雨が降ったかと思えば、今日はまた夏日。
自転車の鍵をなくしてしまったので、やむなく鍵を撃破した。
マンションの管理人さん、手伝ってくれてありがとう。俺の自転車と信じてくれてありがとう。